大学院生活(前半・M1)

3/14,昼過ぎ。

実家でコーヒーを飲みながらPCを開いている。

2年間の大学院生活が終わりに近づいていた。

2年前、とある地方国立大学から東大の院にロンダリングし、流体系の学問を専攻した。学部では船舶工学を学んでいたため、そのまま惰性で専攻を選んでしまった。院を変えた目的は、勿論学歴を上げて就活を有利に進めたかったというのもあるが、それ以上に独り暮らしをしてみたかったという理由が大きい。そのための手段として、実家からギリギリ通えない場所にある東大柏キャンパスに入学することにした。

 

専攻内容を惰性で選んでしまったためか、勉強内容に全くと言っていいほど興味が持てなかった。何なら、流体力学は学部時代に既にそのつまらなさを嫌というほど思い知ったので、大学院でこれ以上授業を聞く気にならず、適当に他専攻の授業をとるなどして流体力学の授業から逃げていた。

 

また、入学と同時に、研究室の先輩から山ほどのタスクが降られた。倉庫の掃除、PCの管理、書類の整理、その他諸々。正直先輩が散らかしたんだから自分で片付けろよ、と言いたかった。めんどくさくなったので、いるかいらないかよく分からないものは片っ端からゴミ捨て場に放り込んでいった。また、何か知らないけどやたらシステマチックに管理したがるラボボスのような先輩がいて、その複雑なシステムについていくのはほんとに一苦労だった。ゼミがあるたびにgoogle calendarで全員に招待メール送って参加不参加を答えさせ、不参加の人間はcalendarのボタンとgmail双方で先生およびゼミ係(僕)に連絡。ゼミ係の僕は不参加の人数が合ってるか確認して先生に報告、合っていなかったら本人に連絡して確認。確認でき次第参加者のゼミ資料を共有フォルダの各学生のページから集めて人数分印刷、またゼミ用PCにファイルをコピー。発表の量等を見て発表順を決め、事前に通達。なんでそんなことしないといけないの!!!!!!!

というわけで、先輩から降られたタスクは徐々に無視するようになった。めんどくさかっただけじゃなくて色々人間関係的なゴタゴタもあったし、向こうも気まずくなって話しかけてこなくなったしでめでたしめでたし。そういうわけで、研究室に行くのが非常に億劫だった。行くと仕事振られて自分の時間がなくなるし、先輩と顔合わせるのも気まずかったし。

 

一方で、同期との人間関係は非常に良好だった。僕の専攻のうち、僕と同じ大学からロンダリングした人が3割くらいいて、その他にも友達の友達だったりとか、高校時代の先輩とか、院試の面接の待ち時間に仲良くなった人とか色々いたから、入学時点で既に半分くらいは友達だった。というわけで、始めの頃はクラスの中心に鎮座してイキりまくってました。休み時間中オラつきすぎて秘書のお姉さんに怒られちゃった。根は真面目だからすぐ静かになったけど。

もう入学ガイダンス初日から宅飲みするわ宅飲みするわ宅飲みするわで、今思うと宅飲みしかしてなかった。一人暮らしすることを目的として院入ったんだし、外で飲むなら別に実家暮らしでもできたんだから、間違っていなかったと思う。ある日僕のうちに7人くらい集まって宅飲みして、23時頃に「てかカラオケ行かね?」ってなって、カラオケ向かう途中にさらに3人くらい引き連れて朝の4時まで歌い、各自帰宅就寝後10時半からの講義に出席したときは何か青春(?)って感じがして謎に感動した。

 

また、入学直後からバイトを探しまくっていたが、なーんとなくしっくりくるバイト先が見つからなかった。というのも当時の僕は学生あるある4月病にかかっており、研究に全力投球、金銭面は高時給バイトで短時間で工面、っていう理想的な状況を思い描いていたため、条件に合うバイトが見つからなかったからだ。結局見つからず、妥協して大学受験の個別指導塾を始めた。それだけでは稼ぎが足りないので、ビドフランスのバイトに応募した。落ちた。4月なので応募が殺到し、タッチの差であふれてしまったようだ。仕方ないので、次はドトールに応募した。ドトールは学部4年で1年間やっていたので、流石に受かるだろうと思って受けて落ちた。次は地元のスーパー。ここは学科の同期が先に受けて採用されていた。するとその同期がシフトをばっくれ店からの電話にも出ず音信不通、といった失態をやらかしたせいで、新しいアルバイトの募集が中止になった。というわけで不採用。その次はサンマルクカフェ。ここは面接した時点で既に人が足りていたのだが、アルバイト募集掲載の記事を取り消し忘れていたらしい。要するに募集していなかったので不採用。次、31アイスクリーム。まあ男が働いているイメージはあんまないよなー、と思いつつも受けてみたけどまあ不採用。男だから仕方ない。そうして、7店舗目に受けたレストランにようやく採用された。

 

塾のバイトは、家から電車1本で行ける範囲を希望(正確には希望というより条件)していたのだが、堂々と無視し、柏駅で乗り換えて出勤する校舎に飛ばされた。ふざけんなw その時点でガン萎えだった。どうしてたかだかバイトのためにスーツ着て片道40分もかけて出勤しないといけないんだよ。しかも帰りは電車が少ないから1時間はかかった。やれやれだぜ...。しかもバイト先は講師の半分くらいを理科大生(理科大野田キャンパスが近いため)が占めており、融通の利かない真面目君だらけだった。実につまらなく、ひたすらモチベーションが下がり続けた。理科大生全般に対して特定の感情はないが、あそこで働いてた理科大生は理科大生の負の部分を集めて凝縮してしまったような感じだった。まあ塾講師という職業柄仕方ないのかもしれないが。その癖たまたまバイトを始めた時期が一緒だったってだけの女の子にしつこく粘着し、「俺と〇〇さんは仲良しだから~」とか言っておきながら陰で「私××さんに仲良いって思われてるみたいなんですけど正直迷惑なんですよねw」とか言われてるの聞いちゃったときは笑いが止まらなかったwwwwww

4月の途中から入ったため、始めのうちは個別の授業を持たず、学校の数学の課題をサポートする枠を担当した。基本的には生徒に自由に課題をやらせて、質問があったら手を挙げてもらって、こっちから対応。質問が出なくても定期的に「順調?」みたいなことを聞いたりもした。結局、こういう場ではコミュニケーション力の高い子がたくさん質問し、調子を聞かれた時も的確に分かりやすく状況を伝えられるので、先生を上手く利用できる。逆にコミュニケーション力の低い子は分からないことがあっても質問できず、調子を聞かれても「大丈夫です」しか言えないので伸びない。コミュニケーション力と学力にある程度相関があるとしたらこういった要因が大きいのではないかと思う。この枠を一緒に担当した学部2年生の子はあまり頭がよくなく、質問されても「難しい問題だね~、いじわるな問題だね~」って答えるだけった。もうこの子クビにしろよw

この枠がまさかの夜8時半からあり、非常にめんどくさかった。スーツ着用と通勤時間。それでいて月給5000円未満。唯一得たものがあるとすれば教え子JKのLINEくらいですかね!!!

また、性格クソ悪くて見た目30歳の大学1年生のバイトの女の子に好かれてしまい怒涛のご飯誘ってくださいLINEが送られてくるなどして普通に不快だった。僕が授業を終えると僕が荷物をまとめ終えるタイミングをずっと待っていて、帰ろうとすると一緒についてきた。まあそれは可愛いからいいんだけど、駅まで歩く間の話の内容が如何にも偏差値30以下のFラン大学生って感じだった。まず、他のバイト及び社員さんの悪口。次に、ビール飲めます自慢。お前まだ18のガキだろうがw ビール飲めるとか何のアピールにもなってねえわw おっさんかよ(笑) しまいには下ネタ。「〇〇君と〇〇ちゃん絶対ヤッてますよ~~wwwww」等と。やっぱ顔面不細工で頭も悪いと、女を捨てて汚いおっさんキャラで「私いつでもヤれますよ」アピールするしかなくなってしまうのだろうか。かわいそうに..............。適当に受け流しているうちに最早話しかけてこなくなった。代わりに別の男のこと今度映画行くとか言う話をめっちゃ大きな声で話すようになった。おう。是非楽しんできてくれ。もう俺に絡まないでくれな✋ って気持ちだった。

 

レストランのバイトは9月頃に始めた。平日の夕方はあまり客がこないのだが、なぜかシフトに7人くらい入っていた。入りたいって言えばほぼ無条件で入れさせてくれる方針だったのだ。学部時代ドトールでバイトしていたが、経営店舗数4店舗くらいの会社が運営するフランチャイズ店だったので、非常に厳しかった。どう考えても4人はいるだろ!ってとこを無理やり2人のシフトでまわされたりした。一方このレストランは直営店だったため、店長の意識が非常に低かった。「今日もお客さん少なければいいな~」等と言っちゃったり。という感じで、緩々とだらだらとやっていた。そうしているうちにバイト内で彼女ができて色々とごたごたが発生するが流石にここでは割愛する。

 

5月の初めにゲーミングPCを購入した。卒論時代の研究室で各PCに先輩が海賊版のソフトを入れ、毎日のように研究室で対戦していたのだが、卒業してからも各自購入して対戦しようと約束していたため、買った。買った日とその翌日は合計で30時間くらいプレイした。流石にそのうち飽きるだろうと思ったものの、秋頃まで欲が尽きなかった。学校から帰ってきて夕飯を済ませたら、さっそくプレイ開始。翌日の朝4時くらいまでやることもしょっちゅうあった。そうして少しだけ寝てから登校。学校から帰宅するとまた翌朝までゲームした。休日は当然朝から晩まで。勉強に真面目に打ち込めなかった1番の理由はこれだろう。

 

9月頃から就活やんないとなー、っていう気持ちが芽生え始めたが、何をすればいいのかよく分からず、適当な合同説明会に3回ほど参加するなどした。参加するたびに周りの学生の意識の高さに圧倒され、自信を失って帰ってきた。一応インターンの募集用紙ももらったりしたが、貰って満足して応募せずに捨てていた。そんなある日、11月に参加した説明会で、5社回るとスタバカードがもらえるというものがあり、5社目特に興味のある会社が見つからなかったので適当に目の前にあったニトリのブースに入った。説明内容は1ミリも覚えていないが、説明終了後プレゼンてんたーに半ば強引にインターンの応募用紙を書かされ、参加することになった。何だかんだ、ここで僕は救われることになる。後日インターンに参加するわけだが、学外の学生と触れ合える楽しさ、そして説明会で聞くより圧倒的に業務が理解できる2点に強い魅力を感じ、今後もインターンにたくさん参加していこうという決意をできたのだ。ニトリには非常に感謝である。ニトリ様様。

ちなみに夏のインターンに参加しなかった理由は2つある。1つは、就活経験者なら分かると思うが、マイページの作り方、そしてログインの仕方がくっっっっっっっっっっっっっっそめんどいから。もう1つは、自分が参加すべき業界、企業が分からなかったからである。今思うと1つ目に関しては、まあ頑張れ、って感じだ。2つ目に関しては、そもそもインターンに参加してみないと興味あるかどうかなんてわからないんだから、深く考えずにとりあえず参加してみるべきだった。結果よければすべてよしなのでまあ後悔はしていないが、後輩たちには夏のインターンに参加することを強く勧めた。

そうして、1月には1dayインターンに4社ほど参加した。インターンの意義は勿論会社を理解することにあるが、それ以上にグループワークに慣れること、そして就活の情報交換仲間を作ることが大きな意義を持っているように感じた。そういうわけで、始めのうちは会話についていくだけで精いっぱいだったグループワークも、インターンに参加するうちにリーダーシップを発揮してチームを引っ張れるようになっていった。3月以降は就活が本格化するが、それについては後述。