ITとの出会い(後半・院生時代)

学部4年間を通してプログラミングに触れ、ITに多少の興味を抱くようになった。この記事では、どうしてSIer企業への入社を決めたのか綴っていく。

 

大学院に入ると、早速Fortranによる数値計算を伴う研究を任された。それは修論発表前日まで続けることになる。M1からM2に上がる時にMATLABライセンスが無料配布され始めたので、即インストールして使いまくった。それまではgnuplotというフリーソフトを使ってグラフを書いていた。春学期と秋学期それぞれにおいて情報処理の講義を取り、どちらもpythonを使った。プログラミングの基礎の学び方自体は十分身についていたので、これらを学ぶ上で大した苦労はなかった。

 

M1の夏休みは自動航行式ソーラーボートを作成する集中講義に出席し、C言語を使った自動航行制御のコードをいじった。このコードは毎年引き継がれているので1から創ったわけではなく、必要に応じて部分部分を改良する程度の作業だった。

今まで僕が行ったプログラミングはしょせんは1つのデバイス内で完結する作業システムであり、複数の機器間でやり取りしたり、機械を物理的に動かすシステムには触れなかった。このシステムでは、GPS情報から現在地及び現在速度を求め、PID制御計算によりラダー角を決め、PWMによりサーボモーターを制御して進行方向を調整した。プログラミングの世界が機械の世界とどうつながるのか、ここで初めて目にすることになった。色々書いたけどこの経験はSIerへの就職に1ミリも関与していない。

 

 秋学期あたりから就職活動を始め、プログラミングに興味あるしとりまIT業界にするかー、くらいの気持ちでIT企業の年収ランキング上位を調べ、まあ1~3位くらいのとこは入れればいいな~、等と思った。また、何となく人の相談に乗るのが好きで、抽象的な物事を論理的に考えることも好きだった。よってコンサルティング、広く言えば上流工程に携わってみたい気持ちがあった。この両面からキャリアを考え、ゆくゆくは某外資ITコンサル企業に応募し、面接までいったが祈られた。

 

M1の冬頃から、web系企業の長期インターンに参加した。普通この時期にやるものではないんだろうけど、何か就活に役立つって聞いてたし、開発経験を積んでみたかったし、あと有給のためバイトに代々できるし、っていうメリットがあったからだ。このインターンではReactを使ってとあるサービスのページを作るものだった。実際はページ作りに関与する前にgitHubの使い方等で躓き、開発には1ミリも携われなかった。そこではフリーランスの人も働いていたり、自由な時間に来てイヤホンで音楽を聴きながらコーディングするなど、非常に楽しそうな職場だとは思った。slackでは、「ごめんなさい、どうしてもパチンコ行きたいので今日は休みます」といった投稿がありそれによりその日のMTGが中止になるなどして驚きだった。基本的にこの職場の人たちはとても意識が高く、自分のスキルアップひいては年収アップのために日々努力、勉強するのが当たり前といった感じだった。そんな中で何か就活に役立ちそうだしお金貰えるし、といったモチベーションで参加した僕が活躍できるわけがなかった。

そうこうしているうちに就活が本格化してきて、このインターンでweb企業への内定をつかむか、大企業への一般的な就職を果たすか、どちらかに舵を切らざるを得なかった。正直中小ベンチャー企業で働くイメージや、高卒でフリーランスとして生計を立てている人と一緒に働くというイメージが全くつかめなかったので、やはり東大理系院卒の肩書と共に大企業に正社員として就職する方が自分には向いてる(というか元々それしか考えてなかった)と判断し、このインターンとはおさらばした。

 

就活が開始すると、そもそもIT企業ってなんだ?といったところから調べ始めた。色々調べてみたけれども結局よく分からなかった。日系大企業では"SIer"なるものの規模が大きく、他にIT企業って何があるんだろうって思ってグーグルとかヤフーとか調べてみたら"web系"とかいうものに分類されるそうだった。Googleがwebに含まれるというのが何か感覚的によく分からなかった。何となく「総合IT企業」みたいなのに分類されるんじゃないかと思ってたけどweb系らしい。よく分かりませんな。まあ検索エンジン作ってるしweb系なのかな。結局よく分かりませんでした。よく分からないけど、web系は技術力重視っぽいし、開発経験のない僕はやめておくことにした。あとAmaozonとかDeNAとかサイバーエージェントとかも。

 

日系の年収上位IT企業ランキングをいくつか見たところSIer企業が多かったので、とりあえずSIer企業をめざすことにした。SIerが何なのかよく分からなかったけど。

 

その後就活の中で少しずつ獲得した知識に基づいてSIerとは何かを記そうと思う。

 

SIerとは...System Integrator(訳 : システムを統合する者)の略。読み方は「エスアイアー」。設計からコーディングを1社で賄えないような大規模なシステムの開発を担う。コーディング(プログラミング)等は外部ベンダーに外注し、設計から外注までを担当する。規模が大きいため業務全体において外注の占める割合が大きくなるため、複数段階に分けて外注を行い、1次請け、2次請け、3次請けのように多数の請負会社が発生することがある。SIerで働く職種をSEというが、彼らに最も求められるのは開発スキルよりもマネジメント能力である。というのも、複数の下請け企業をとりまとめるため、それらの企業の人間とのコミュニケーションが重要になるからである(小泉進次郎構文気味...??)。

 

こういった感じで現在は認識している。

プログラミングを自分自身でやることは少ないそうで、実際文系卒のプログラミング未経験者も多数入社している。選考ではプログラミングスキルで足切りされることは絶対になく、むしろコミュニケーション力とリーダーシップが重視された。web系企業を技術力を理由に諦めたが、かといってコミュニケーション力に自信があるかというと、文系卒の人間も受ける中で多少の不安はあった。しかし、インターンや説明会を通して、自信がみなぎっていてかっこいい社員さんが多く、頑張って入りたいと思った。また、SIerというのは開発の上流工程から担うため、クライアント企業の事業設計にも部分的にだが携わることが出来る。いわゆるITコンサルティングのような業務もあるらしい。就活の初めに外資ITコンサル企業を受けたこともあってコンサルティングには興味があったので、是非そういった業務にも携わりたいと思った。

SIerをいくつか受けている中で、ITコンサルの重要性を最も実感した会社説明会があった。それは、ある私鉄の利用者向けアプリを作っている企業で、「〇〇鉄道使ってる人いますかー?お、たくさんいますねー。じゃあこの鉄道のアプリをうちが作ってるんですけど、使ってる人いますかー?あ、0人ですか~。便利なんで使ってくださいね~。」という説明である。

いや全然ダメやん。

せっかく便利なものを作ったのに誰も使ってないの?これは実は便利じゃないのか、それともマーケティングができていないのか。いずれにせよアプリの設計か、もしくはそもそもの事業の設計が上手くできていないということであり、上流工程でミスるとそっから先がいくら頑張っても価値のあるサービスは生まれないんだな、ってことを実感した。

そういったことからも、ITコンサルをはじめとする開発の上流工程に携われる業務に魅力を感じた。そうして、SIerに入社して上流工程に携わり日本のIT業界に変革をもたらしたい的なことを考え、就活に臨んだ。

 

就活では、ここまでにやってきたプログラミングの経験を主に話した。1つ目は、MATLABで先輩の作業を自動化したこと、2つ目は、Androidアプリ開発に取り組んだこと。1つ目の経験から、ITを用いて人の役に立つことへの理解、2つ目の経験から、アプリ開発のための勉強も自力でやりきれる能力、を示した。コミュニケーション力が見られるとは言えど、どちらかというと日本語力的なものがみられているように感じた。面接で多少難しい質問をされたそうに、日本語的に筋の通った論理的な回答を返す能力。もともと論理的な思考には自信があったので、それほど難しくなかった。グループディスカッションを通してリーダーシップを見られたが、これは事前にケース別のリーダーシップマニュアルを作成しリーダーシップがあるように見せかけた。こうして無事選考を突破した。

 

こうしてSIerへの入社が決まった。

 

就活が終わるまで放置していた研究に着手することしばらくして、10/1の内定式に出席した。その内定式にて、この企業に一生しがみついていいのだろうか、という思いがわくようになる。起業とか転職とか独立とかも視野に入れたほうがいいんじゃないか。理由を簡潔に言うと、同企業内の上位職種に対する羨望である。内定式でそれを感じ取ってから、この企業のこの職種にとどまっていていいのだろうか、と思った。よく知らんけど、IT系で独立してる人って何かSNSをよくやってるイメージがあったので、早速Twitterアカウントを作った。おそらくこのブログを読んでくれてる人の大半は、そのTwitterアカウントから見にきてくれた人が大半であろう。

そう、始めは将来の転職なり独立なりに向けて情報収集するために作ったアカウントだったのだ。それでIT関係の人をたくさんフォローしてるうちに手が滑ってIT志望の就活生@21卒をフォローしてしまい、そっから就活垢を名乗っていないけれどもITを志望した就活生など複数フォローしてしまうなどし、気付いたら就活垢を多数フォローしていた。このブログ内の別の記事でも書いた通り就活はかなり頑張ったので、隙あらば就活のアドバイスをしてしたくなるもので、就活の悩みなどツイートしてるのを見かけるとすかさずリプライしてしまうようになった。それが20いいねついたりRTされたりするとこれがまた嬉しいものである。こうして、一見元就活垢@20卒っぽいアカウントみたいになってしまった。でも違うんです!ホントはIT情報収集垢なんです!

ということで最近は就活関連のツイートしたりリプライしたりすることを控えるようにしています。基本情報技術者試験が中止になって嬉しいみたいなツイートを意識的に行っております。やっぱ赤の他人がいきなりしゃしゃり出てきてアドバイスしてくるとか絶対うざいに違いないし、何より既に過去のイベントである就活にいつまでも執着するのは僕自身にとって良くないだろうからね。

 

また、そのTwitterアカウントを作ってから、仮にもIT事業予定者を名乗るからにはプログラミングで何か作ってみたいと思って、LINE botを作成してみた。使用言語はJavaScript、使用ターミナル(?)はGoogleAppScriptである。どうしてこれに着手したか。以前Androidアプリを作った時感じたのが、まずiPhoneの人は試せないこと。次に、ダウンロードするのがめんどくさいこと。最後に、使用者の使用状況がモニタリングできないこと。アプリという制作物を創り上げることに達成感はあるものの、これらの不便さがあった。これらを一挙に解決できるのが、LINE botだった。LINE botならAndroidiPhoneいずれも利用できるし、利用するには友達登録を行えばよいだけ。さらに、利用者がチャットに送信した内容をこちらで確認することが出来る(予め言っておかないとトラブルになりそうだけど)。というわけで、LINE botを作ってみた。

これがまた大変だった。JavaScriptという言語の勉強は3分で終わらせたが、LINE botのアカウントの登録、それとJavaScriptで書いたコードの結び付け、さらにはGoogle Consoleというサービスを用いたコマンドウィンドウとの連動。そこらへんをここで説明するとそれだけで1つの記事が作れてしまうくらい複雑なものとなっているのでここでは省くが、幾度となく試行錯誤を繰り返した。途中Teratailというプログラミング版知恵袋に大いにお世話になった。Yahoo知恵袋と同じく、質問したり回答したりするたびにポイントが付いたり、それに応じてレベル上げ、バッチ贈与などがある。その面白さにつられて、いくつか質問に回答することもあった。こうして、無事LINE botを1つ創り上げ、それをコピペして改良する形で次々とアップデートさせていった。そうして、ゆくゆくは自分の友達が優しさで使ってくれるだけでなく、赤の他人までもが興味を持って友達登録してくれるようなbot修論提出後に作ろうと思っていたのだが、そういえば今の今まで忘れていた。

 

Twitterをやっていると、ITの世界には胡散臭い人がいっぱいいることを実感した。いわゆる"駆け出しエンジニア界隈"というやつだ。まあITの世界と言ってしまってはITの世界に失礼に当たるかもしれないが。昨今のITブームにおいてITエンジニアの需要が増加しているという報道を薄っぺらく受け取り、地道な勉強嫌いだし大学も出てないけど何かノリでいけんじゃね?みたいな考えと共にIT業界に参入しようとしている層が多いらしい。また、そういった層を煽ってプログラミングスキル習得の需要を作り出し、プログラマ養成スクールに流してお金を儲けている層もある。あとなんか、やたらブログを書きたがる駆け出しエンジニアが多くて、そういう人は大したスキルもないのにプログラミングの学習方法とか精神論とかブログに綴ってアフィリエイト収入を得ようとしているイメージがある。偏見もあるけどね。

それはそれで別に悪いことではないんだけど、アフィリエイトやったりとか特に社会的な価値を生み出してるわけでもないにもかかわらず態度だけはめちゃくちゃでかい人見るとホント勘弁してくれ、って思っちゃうよ。キメラゴンとかいう中学生マジで何様なの?Twitterでイキりまくってるけどあんた社会に何を貢献したの?国語数学英語は社会で役に立たないとか言ってるけどあんたの使ってるPCもTwitterも、先人が数学や物理学や電磁気学や情報学を学んで研究して開発してきてくれたから使えてるんでしょ?そういった先人様方の知恵にただ乗りしてる分際で何でそんな偉そうなん?最近有料Noteを説明もなしにページ削除したらしいしそろそろ引退も潮時なんじゃないんですか?一刻も早く信者が我に返って彼の元を去りアフィの収益もなくなり引退を余儀なくされノ〇ローゼにでもかかって親からも見放されいずれはセブンイレブンのバイトでもしながら食いつないで細々と生きて痛い目見てほしいものですよ。

 

また、Twitterのプログラミング界の一部に、AtCoder界隈なるものを発見した。別にAtCoderAtCoderという独立した競技プログラミング経営会社であってTwitterとは特に関係ないのだが、僕がこの存在を強く知ったのはTwitterがきっかけだった。そこで、IT業界におけるキャリアの選択肢を増やすために、AtCoderも参戦してみることにした。今のところ2回しか参加できていないのだが、何事も1歩目を踏み出すことが大事。会社の寮に入ったらちゃんと毎週参戦していくつもりである。ちなみにTwitterのハンネには「@AtCoder灰」と書いている。AtCoderでは競技者のランクを色で示しており、0点以上獲得すれば灰コーダーの称号を獲得できる。要するに1度でも参加したらどんなにポンコツでも灰コーダーなのだ。それでも部外者はそんなこと知らずに「灰ランクかー、何かよく分からんけど頑張ってそうだな」って思ってくれると思うので(てか僕自身がそれまでそう思ってた)とりあえず灰コーダーという称号をアピールしていきたいと思ってつけた。

 

僕の内定先では4月に基本情報技術者試験の受験が義務付けられているが、入社準備でバタバタしており全然勉強していなかった。しかしながら、一昨日あたりに実行本部の発表により、コロナウイルスの影響で実施が中止になることが分かった。何よりである。10月の試験では、勉強の捗り次第では応用情報技術者試験を受けようと考えている。

 

さてと、そうこうしているうちに3/28の夜11時である。

明後日は会社の入寮日。明日は実家で過ごす最後の日として、コロナによる外出自粛要請が出ている中実家でゆっくり過ごそうと思う。