就職活動④

第一志望御社の2次面接をパスし、残すは最終選考、となったところで、ある局面に立たされた。4月末に内定をもらった石油会社が、早急な内定承諾を迫ってきたのである。ちなみに、第二志望の選考も順調に進んでおり、残すところ最終面接だけだった。しかし、石油会社の承諾期限は、第二志望の最終面接よりも早かった。第二志望のリクルーターさんと電話して相談して最終面接の日程をぎりぎりまではやめてもらったが、それでも石油会社の内定承諾の方が2日早かった。どうしても埋められないその差を恨みつつ、石油会社の内定を辞退した。つまり、第二志望の内定を目前にNNTに逆戻りしたのである。なかなか勇気のいる決断であったが、承諾した内定を蹴るのは相当な迷惑がかかるだろうし、そもそも第一、第二志望の最終選考を受ける上で心の枷になると思ったのだ。もしNNTのまま就活を終えることになったら渋谷のスクランブル交差点にこたつ持ちこんでYoutuberデビューすることを心に決め、まずは5/15, 第二志望の最終面接に臨んだ。

正直ここは受ける前から勝ち確だった。2日間の1dayインターン(1dayとは?)に参加したらリクルーターさんがつき、しょっちゅう電話がかかってくるようになった。色々とアドバイスや業界知識を教えてくれ、社内でのOB訪問の機会もセッティングしてくれた。人によっては「ぶっちゃけ東大なら絶対受かるよ」等と言われた人もいるそうで、圧倒的すべり止め企業の扱いで受けた。部屋に入るとまず、修了見込み証明書の提出を求められた。もうこの時点で採用って言ってるようなものでしょう。しかも上座だった。しばらくすると60手前のおじさんが入ってきて、入ってくると同時に「君の大学の有名な建築家が~」等謎の雑談を始めた。話ながら着席されてしまったので、こちらが立って挨拶するタイミングすらなかった。面接官らしからぬ面接官だったが、この人は経済学部出身で、どうやら金融のうんたらかんたらのナンバー2らしい。ああ、、、この会社はSIerだが、結局銀行からの出向者で上位層が埋め尽くされてるという噂は本当なんだなぁ、と思った。この面接官さんは旅行が好きらしくて、パリに行った時の話を延々としてくださった。こっちは適当に相槌をうつだけだった。そして最後に、「じゃ、10月に会えるのを楽しみにしてるよ」とだけ言って立ち去って行った。

ぼーっと座ってるだけで内定もらえてしまった、、、。まあいいか。

そして、5日後の第一志望の最終選考に備えることにした。

 

この御社は、最終選考がグルディス+面接という、なかなかハードなスケジュールだった。そして、グルディスでばっさり切られるという噂も聞いていた。なんなら、グルディスが終わった時点で結果はほぼ決まっていて、最終面接は念のための最終確認に過ぎない、という噂も聞いていた。グルディスの対策は難しい。何と言っても練習ができないし、お題の内容も不明。一応掲示板などを通して情報を得ることはできたが、グルディスで配られる膨大な量の資料は入手のしようがなかった。

そうはいっても元々グルディスが得意でなかった僕は何とか対策せざるを得なかった。そこでとった戦略が、グルディスのタイプ、そしてチームの構成について、考えうるあらゆる場合を想定し、各ケースにおける行動マニュアルを作成した。また、過去の選考レポートを片っ端から読み漁り、どのタイプのお題が出されるか大方予想した。また、グルディス対策の参考書をAmazonでポチり、ボロボロになるまで何度も読んだ。その方法論も取り入れつつ、マニュアルを何度もアップデートし、Ver.5まで作り上げたところで、マニュアルは完成版となった。あとは、そのマニュアル通りセリフを練習し、本番に備えた。一方で、逆質問や想定される質問の答えを考え、何度も練り直した。グルディスリハ+面接解答作りこみに注力しつつ、どうしても完成しない部分だけ抜き出し、最終面接の3日前、再び横浜までOB訪問に出向いた。ここで最後の穴埋めを完成させ、ラスト2日間、最終調整を行った。

5/20, 最終面接は午後3時スタートだった。